「なるほど!そーゆー考え方もあるのか!」
本書を読み終えて、僕がイメージしていた会社経営に対する考え方が大きく変わった。
僕が思い描いている会社経営のイメージはこうだった。
- 売り上げを伸ばし、事業規模を拡大させていく。
- 事業規模拡大に伴い、雇用者も増やしていく。
- 会社を経営するからには、上場を目指す。
しかし、今の日本は人口の減少が進んでいるため、今後は消費が減り、経済規模は縮小していく可能性が高い。
事実、将来安泰と言われていた大手企業が虫の息であったり、売り上げ減少からあらゆる会社が合併やM&Aを行っている。
いい大学を出てて、いい会社に就職し、1つの会社で一生懸命働き、年功序列で年々給料が上がっていき、定年したら多額の退職金で余生を悠々と暮らしていく・・・
そんな理想的なレールの上を進める人は一握りの人だけとなった。
では、その理想的なレールが見えない、もしくは外れかけている人たちはこの先、どうすればよいのか・・・
こんにちは、たっきん(Twitter)です。
今回は山本憲明さん著の『社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい』を読みました!
いつものように本屋をぶらぶらしてたらインパクトのあるタイトルが目に留まったので思わず立ち読み!
興味深い内容だったのでじっくり読みたいと思い、kindle版を購入しました。
先ほど読み終えたばかりです!
本書の著者である山本憲明さんは早稲田大学を卒業後、約10年間制御機器メーカーで営業、エンジニア、経理を経験した後に税理士事務所を設立。
現在は少人数で効率的な経営を行いたい経営者をサポートされているとのことです。
山本憲明さん自身も1人ないし、2,3人程度の従業員をもつ極小会社の運営の経験を10年以上運営してきた経験をお持ちだそうです。
そんな極小会社の運営経験を通して、1人経営の必勝法を編み出し、本書の出版に至ったそうです。
そんな必勝法が詰め込まれた本書をじっくりレビューしていきたいと思います!
心に響いた名言と感想
右肩下がりに”あえて”合わせる
「会社が今後、生き残っていくには売り上げを大きくし、成長し続けるしかない!」
僕が考える将来生き残れる会社の姿をこう考えていたし、これが当たり前だとも思っていた!
しかし、本書では全く逆の発想を語っていた。
「成長しないと、生きていけない」という考えは、この際一切捨ててもいいでしょう。
ー著書、「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」より抜粋
成長しない世の中で、どう楽しく生きていくかということを考えたほうが、よっぽど建設的・健康的だと思います。
この先、日本経済は右肩下がりに衰退していく可能性が高い。
それなのに右肩上がりの経営計画を立てるのは無茶が過ぎるし、そんなことしたって無理がたたってかえってストレスを抱え込むはめにもなりかねないし、健康だって損ねてしまうかもしれない。
また、本書では次のようなことも語られています。
「1人会社」を絶対につぶさないようにするためには、「上を目指さない」ことが大切になります。
ー著書、「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」より抜粋
売上を上げて規模を大きくしていくことをはじめからしないのが大事で、少し儲かったからといって拡大していくのは、「1人会社」としては愚の骨頂です。
これも僕にとっては衝撃的でした。
会社を立ち上げようと思ったら1人であってもそうでなくても「上を目指す」って考える人がほとんどだと思います。
しかし、1人で会社を経営する場合、「上は目指さない」、つまり会社の規模を大きくしないのが大事だと山本さんは述べています。
山本さんによると、会社の規模を大きくするのは簡単でも、小さくするのは難しいとのこと。
1人の方が、小回りや方向転換が容易であるとのことです。
変化の激しい今の時代に、臨機応変に対応できる1人会社はこれからのスタンダードになるのかもしれないですね。
1人会社の社長は労働してはいけない
「1人で会社を経営する場合、会社の業務を1人で全部こなさなければならない。」
本書を読む前の1人会社の経営者をこうイメージしていた。
しかし、本書ではこう書かれていた。
1人会社の社長は、いかに労働しないかということがキーになってきます。
ー著書、「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」より抜粋
働かずに自由な時間をつくり出し、そこで新しいことやモノを生み出すことが大切です。
絶え間なく勉強して本を読み、人と会話をするなどしてアイディアを創出するのが大事です。
労働の定義にもよるのだろうけど、ここで言う「労働」は実作業のことを言っていて、社長は常にアイデアを創出しろってことだろう。
つまり、手を動かすのではなく、考えるのが仕事であるとも言える。
一人経営なので社長がアイデアを考え、実作業は外部に委託してやってもらうことになる。
最近だとココナラのような個人に委託できるサービスもあり、委託先を見つけやすい環境も整ってきてますよね。
ちなみに、当ブログのプロフィールアイコンもココナラで委託して作成していただきました!
値段は3000円で、思っている以上に安かったです。
ココナラのように格安の個人委託サービスが普及していけば、1人会社も立ち上げやすくなるかもしれないですね。
自分の得意であり、大好きなことをずっとやって生きていく
「好きなことで生きていく」
数年前にヒカキンさんや、はじめしゃちょーさんを起用してYoutubeのCMでこのフレーズが流れていたのは記憶に新しいと思います。
しかし、この「好きなことで生きていく」には賛否両論あり、たびたび話題に上がってたりもしますよね。
本書ではこの「好きなことで生きていく」について、こう語っています。
これからは、1人で得意で大好きなことをずっとやっていくことが大事になるでしょう。
ー著書、「社員ゼロ! 会社は「1人」で経営しなさい」より抜粋
AI・ロボット・機械が活躍するであろう未来では、それしか生き残る方法がないと言っても過言ではありません。
AI・ロボットが普及した場合、「好きなことをずっとやっていく」しか生き残れる方法はないと山本さんは語っています。
その理由は会社の規模が拡大し、従業員が増えた場合、業務は”標準化”されていき、この”標準化”された業務はAI・ロボットが得意とする分野であるからとのこと。
確かにYoutubeなら1本の動画全てをAI・ロボットが作成するのは難しそうですしね。
僕はソフトウェア・エンジニアの仕事をしており、設計やプログラミングをやっているが、これらの仕事だって将来AI・ロボットに置き換わるかもしれない。
そういう危機感を抱いて、何か新しいことを始めてみようと思い、このブログを書き始めたという経緯があります。
まとめ
「会社は上を目指してなんぼでしょ!」と考える人もいるかもしれません。
むしろ高い目標を持つことで自分のモチベーションを保てるのなら、それを実践すべきだと僕は思ってます。
ただ僕が思うに、右肩下がりの時代に「上を目指さない」目標を持つというのは時代の流れにマッチした考え方の一つであると思うし、身の丈に合った目標を設定することで自分のモチベーションを保てる人だっているんじゃないかと思います。
僕もどちらかといえば後者のタイプです。
また、賭博黙示録カイジというマンガに登場する遠藤も似たようなことを言っていた。
「バスケットボールのゴールは適当な高さにあるからみんなシュートの練習をするんだぜ。あれが百メートル上空にあってみろ。誰もボールを投げようともしねえ」
ー遠藤勇次/黙示録第1巻
皆さん一度は聞いたことあるフレーズなのではないでしょうか?
適当な高さに目標があるから、目標を達成しようと努力できる・・・
目標が高すぎるとかえって努力する気が失せてしまう・・・
まぁこれは人それぞれだと思うので自分に合った高さの目標を設定していけばいいんじゃないかと思います。
変化の激しい今の時代では目標も常々変化していく可能性が高いし、その変化に合わせやすくするために会社は1人で経営していく・・・
1人会社というのは、これからの時代に合ったスタイルになる可能性は十分あると実感させられました。
- 自分の勤めている会社の将来に望みが持てない
- 独立を考えているけど不安に感じている
こう考えている人は本書を1度読んでみる価値は十分にあると思います。
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