パラボリック解析アプリ追加しました! たっきん(Twitter)です!
テクニカル解析系のアプリケーションとして今まで単純移動平均線(SMA)、ボリンジャーバンド、MACDと作成してきましたが、今回新たに「パラボリック」が追加となりました。
パラボリックはSMAやボリンジャーバンドと同じく、トレンド系のテクニカル指標となります。
僕の個人的な感覚になりますが、パラボリックはマイナーなテクニカル指標であり、この指標を使ってFXをやってる人は少ないんじゃないかと思ってます。
FX関連の書籍等でもパラボリックを使ったアプローチ方法をあまり見かけませんので・・・
でもマイナーなテクニカル指標だからこそ、勝率を分析したら思わぬ発見があるかもしれないので、パラボリック解析アプリを作成し、その実態を暴いていこうと思います!
パラボリックってどんな指標?
パラボリックはSAR(Stop And Reverse)と呼ばれる点を用いたトレンドフォロー型の指標です。
パラボリック(放物線)の名の通り、チャート上には放物線のように上昇または下落のSAR点線が描かれます。
売買するポイントはSARと実際の価格が交差するポイントになり、このタイミングでSARの上昇/下落トレンドが入れ替わります。
つまり、SARと実際の価格が交差するポイントでポジションを途転することになるため、常に買いor売りのポジションを持ち続けることになります。

パラボリックはトレンドフォロー型の指標になるため、パラボリックが有効に機能するシーンはトレンドが発生しているときになります。
一方、パラボリックが機能しないときはレンジ相場の場合になるので、パラボリックを使用する際はトレンドが発生しているのか否かを見極めた上で使用することが望ましいとされています。
<パラボリックが有効に機能するシーン(トレンドが発生しているとき)>

<パラボリックが有効に機能しないシーン(レンジ相場のとき)>

パラボリックの計算方法
パラボリックのSAR(Stop And Reverse)ポイントは下記の式で算出されます。
・SAR = SAR[前日] + AF × (EP – SAR[前日])
AF(Acceleration Factor)は加速因数といって、SARの感度を決定する値になります。
AFの値を決めるパラメータは下記の3つがあります。
- AF_init:初期値
- AF_max:最大値
- AF_step:増加量
SARの上昇/下落トレンドが入れ替わる時にAFの値はAF_initの値で初期化されます。
その後、EPが更新される毎にAF_stepの値で加算され続けますが、AF_maxの値が最大値となります。
EP(Extreme Point)は上昇/下落トレンド時で設定される値が変わります。
- 上昇トレンド時:買いで保持している期間の最高値
- 下落トレンド時:売りで保持している期間の最安値
上記計算式に加えて、算出したSARには下記の条件を加味する必要があります。
上昇トレンド時:
・算出したSARが前日、前々日のSARを上回る場合、前日、前々日の最大値をSARとする。
下落トレンド時:
・算出したSARが前日、前々日のSARを下回る場合、前日、前々日の最小値をSARとする。
さっそくパラボリック解析アプリを作成してみた
またいつものようにGUIでパラボリック解析結果を可視化できるようにしてみました。
パラボリックのパラメータとしては上記の計算方法でも説明した通り、AF(加速因数)に関する3つになります。
- AF_init:初期値
- AF_max:最大値
- AF_step:増加量
上記3つのパラメータはGUI上で解析する範囲を決められるように作りました。
そして解析結果はリストで一覧化し、任意の行を選択することでその行の解析結果詳細をチャート上に表示させることができるようにしました。


パラボリックでシストレした場合の勝敗
さて、気になるのはパラボリックでシステムトレードした際の勝敗についてですね。
今回もAF(加速因数)に関する3つのパラメータを変化させた場合の損益結果をヒートマップで表現してみました。
<解析条件>
通貨ペア:USD/JPY、EUR/JPY、EUR/USD
期間:2017/7/1~2022/7/1(5年間)
パラメータ範囲:
・AF_init(初期値):0.010~0.040 (Step:0.002)
・AF_max(最大値):0.100~0.400 (Step:0.020)
・AF_step(増加量):0.010~0.040 (Step:0.002)
勝敗ですが、結論から言ってしまうと全てのパラメータで損益がマイナスとなることがわかりました。
このことからわかることとして、単にパラボリックの売買シグナルに従ってシステムトレードしただけでは利益が得られないということになります。
参考までに、USD/JPYのヒートマップの一部を載せておきます。

冒頭でも説明しましたが、パラボリックが有効に機能するのはトレンドが発生しているときになりますので、もしパラボリックでシステムトレードする際はトレンド発生を検知する指標と組み合わせる必要がありそうです。
さいごに
トレンド系のテクニカル指標としてパラボリック解析アプリケーションを作成し、GUI上での解析結果のチャート表示とヒートマップを使った損益結果の見える化を行いました。
ヒートマップの損益結果は残念なことに単純にパラボリックの売買シグナルに従ってトレードした場合、全てのパラメータで利益を出せないという結果となりました。
パラボリックを有効に機能する場合はトレンドが発生しているシーンになりますので、パラボリックを使用する際は他のテクニカル指標と組み合わせることでシストレとしての有効性を見いだせるかもしれません。
さて、これで単純移動平均線(SMA)、ボリンジャーバンド、MACD、パラボリックと4つのテクニカル解析アプリケーションを作成してきました。
しかし、これらは全て単体で機能させた場合の解析結果しか出せておりません。
なので次はこれらのテクニカル指標を組み合わせることで利益率を上げられないかの検証をしていきたいと思います。
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