たっきん(Twitter)です!
米国株の資産運用を本格的にやり始めてからもう少しで1年になります。
米国経済の好調の恩恵を受けて株価も順調に上昇していますが、なにより配当金という不労収入を毎月得られていることで
「お、資産が順調に増えているぞ♪」
って感じでニヤけてしまいます。
貰えている金額はまだわずかのため自慢できるほどではありませんが、少しづつ長い時間をかけて資産を成長させていきたいと思います。
さてここから本題になりますが、最近気になっている投資対象があります。
タイトルにも書いてある通り、新興国通貨への投資です!
新興国通貨といったら高スワップポイントですよね!
スワップポイントをもらい続けることで株の配当金同様に不労収入を得ることができます。
スワップポイントについてはFX会社のホームページや多くの先駆者がブログなどで紹介していためここでは説明しません。
高スワップポイントで有名な通貨といったらトルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソですよね!
これらの通貨を保有しているだけでお金が稼げるため、通貨を保持しているだけで資産が増える夢のような通貨と思われるかもしれませんが、当然リスクもあります。
それは、新興国の通貨はインフレを起こしやすい(通貨価値が下落しやすい)ということです。
利回りは大きいが、通貨下落のリスクも高いため新興国通貨には手を出すなという人が多いのもうなずけます。
新興国通貨で”負けない”ために必要なこと
“負けない”と書いたのには理由があります。
というのも投資の世界でよく“勝つ”という言葉を耳にするのだが、そもそも投資の世界での“勝つ”の定義は何なのだろうか?
僕にはイマイチよくわからなかった。
でも“負ける”の定義は簡単である。
それは「強制ロスカット」されることに他ならない。
だって市場から強制退場されられてるわけだしね。
だから僕は「負けない方法」もとい、「強制ロスカット」されない運用方法を考えてみることにした。
強制ロスカットレート値の把握
「強制ロスカット」されない運用方法というくらいだから強制ロスカットレート値を知ることは必須であるといえる。
強制ロスカットレート値の算出方法はFX会社によって若干の違いがあると思うので、今回は新興国通貨のスワップポイントが比較的高めなFX会社「みんなのFX」を例にして考えてみる。
「みんなのFX」の強制ロスカットレートの算出式は以下のようになっている。
\begin{align*}
\mbox{強制ロスカットレート} =
\frac{25}{24} \left(\mbox{約定レート} – \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{数量[Lot]}\times 10^4} \right) \cdots (1)
\end{align*}
具体的な値を入れて計算してみる。
- 口座残高:¥300,000
- 約定レート(買):¥111.645
- 数量[Lot]:3
\begin{align*}
\mbox{強制ロスカットレート} &=
\frac{25}{24} \left(111.645 – \frac{300000}{\mbox{3}\times 10^4} \right) \\
\\
&= 105.88125
\end{align*}
計算結果では強制ロスカットレートは105.88125円となった。
ちなみに「みんなのFX」のサイトでは証拠金シミュレーションのページで強制ロスカットレートの算出ができるので、こちらでも同じように強制ロスカットレートを算出してみる。
値が一致したことから上式(1)は間違ってなさそうだ。
上式(1)をどう算出したかはここでは省略するが、もし詳細を知りたい方は最後のページに算出過程を載せておきますので気になる方は読んでみてください。
下落リスクの高い新興国通貨を長期運用する上で強制ロスカットレートを把握してないのは無謀と言えるでしょう。
強制ロスカットレートの算出方法はFX会社によって若干違いますが、算出方法は各FX会社のホームページに載っているので、新興国通貨の長期運用を考えている人は必ずチェックしておきましょう!
強制ロスカットされない条件
為替レートの値はマイナスになることはない。
つまり現在のレート値が下落しうる最大の幅になるということだ。
例えば、米ドル円の為替レートが100円の場合、どんなに円高になろうと0円を下回ることはない。
言い換えるなら「現在の為替レート = 最大下落幅」ということになる。
「米ドル円=100円」の場合、最大下落幅は100円ということだね!
つまりここで言いたいことは、強制ロスカットレートが0以下を維持すれば、強制ロスカットされない(負けない)ことになる。
\begin{align*}
\mbox{強制ロスカットレート} &\leq 0 \cdots (2)
\end{align*}
この(2)式に(1)式を代入すると次の条件式が得られる。
\begin{align*}
\mbox{約定レート} – \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{数量[Lot]}\times 10^4} &\leq 0 \cdots (3)
\end{align*}
この(3)式が強制ロスカットされないための条件となります。
どれだけ通貨を保有すればよいか?
強制ロスカットされないための条件がわかれば保有すべき通貨数量も導き出すことができます。
まずはじめに、(3)式を変形すると以下の式が導きだされる。
\begin{align*}
\mbox{数量[Lot]} \leq \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{約定レート} \times 10^4} \cdots (4)
\end{align*}
(4)式より、強制ロスカットされない保持可能な最大数量[Lot]は次式のようになる。
\begin{align*}
\mbox{最大数量[Lot]} = \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{約定レート} \times 10^4} \cdots (5)
\end{align*}
では実際に(5)式をつかって、新興国通貨として有名なトルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソの現時点での為替レートをもとに、ロスカットされない保有可能な最大数量[Lot]を算出してみましょう!
口座残高は1,000,000円とした場合、以下の値となりました。
新興国通貨 | 為替レート | 保有可能な最大数量[Lot] |
---|---|---|
トルコリラ | 19.844 | 5.039 |
南アフリカランド | 7.634 | 13.099 |
メキシコペソ | 5.963 | 17.565 |
保有数量がわかれば各通貨ごとに1日でいくらスワップポイントがもらえるかがわかりますよね!
では実際にいくらもらえるのか?どの通貨が運用する上で一番稼げそうか?計算してみましょう!
どの通貨が安全に一番稼げそうなのか?
では実際に、ロスカットされない保有可能な最大数量[Lot]を保持した場合の1日に受け取れるスワップポイントを算出してみましょう!
スワップポイントも「みんなのFX」を参考にしました。
新興国通貨 | 数量[Lot] | スワップポイント [円]※ | 1日で受け取れる スワップポイント [円] |
---|---|---|---|
トルコリラ | 5.039 | 120 | 605 |
南アフリカランド | 13.099 | 15 | 196 |
メキシコペソ | 17.565 | 13 | 228 |
※:「みんなのFX」の参考値
あたらめて説明するが、ここで算出された1日で受け取れるスワップポイントが口座残高1,000,000円で運用する場合、絶対に強制ロスカットされない範囲での保持可能な最大数量[Lot]を保持した場合に受け取れる金額を示している。
この結果からもわかるように運用効率が1番優れているのはトルコリラであることがわかる。
実際に数値で表すと、トルコリラの運用効率は南アフリカランドの3.087倍、メキシコペソの2.654倍である。
まとめ
新興国通貨として有名なトルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソで比較した場合、強制ロスカットされない範囲での運用効率が1番優れているのはトルコリラであることがわかりました。
しかし、この結果はあくまでも本記事を書いている2019年4月現在の話である。
運用効率を算出するのに必要となるスワップポイントや為替レートは常時変化するため、本記事を読まれているときは結果が変わっている可能性が高い。
そこで、常に最新の算出結果が得られるようにスプレッドシートを作成したので、今この瞬間の1日で受け取れるスワップポイントや運用効率が知りたい方は以下のリンクを参照してほしい。
[おまけ]強制ロスカットレート計算式の算出過程
ここでは「みんなのFX」における強制ロスカットレートの計算式を算出する過程を説明していきます。
※ここで説明する計算方法は本記事を書いてる2019年4月現在の「みんなのFX」ロスカットルールより算出しています。
ロスカットルールが変更される可能性もあるため、最新の情報は「みんなのFX」のサイトより確認するようにしてください。
ロスカットのルールですが、「みんなのFX」によると以下のように決められています。
証拠金維持率が100%以下になると全ポジションが自動的に決済されます。
・証拠金維持率(%)= 純資産 ÷ 必要証拠金 × 100%
ー「ロスカットについて(みんなのFX)」より、引用
また必要証拠金ですが、個人口座の場合レバレッジは25倍であるため、以下の算出式となります。
\begin{align*}
\mbox{必要証拠金} = \frac{\mbox{現在レート} \times \mbox{数量[Lot]} \times 10000(\mbox{1Lot数量})}{25\mbox{(レバレッジ)}} \cdots (a)
\end{align*}
「みんなのFX」における1Lot数量は全通貨10000となってます。
以降、簡潔にするために、数量[Lot]×1Lot数量(10000) = 保有通貨 とします。
上記ロスカットルールより、強制ロスカットの等式は、
\begin{align*}
\mbox{純資産} &= \mbox{必要証拠金} \cdots (b)\\
\end{align*}
純資産は「口座残高 + 含み損益」であるため、(b)式は次式のように書き換えられる。
\begin{align*}
\mbox{口座残高} + \mbox{含み損益} &= \mbox{必要証拠金} \cdots (c)
\end{align*}
さらに、含み損益は約定レート、現在レートを用いて次式で表される。
\begin{align*}
\mbox{含み損益} &= (\mbox{現在レート} – \mbox{約定レート}) \times \mbox{保有通貨} \cdots (d)
\end{align*}
(a)式と(d)式を(c)式に代入すると次の等式(e)が得られる。
\begin{align*}
\mbox{口座残高} + (\mbox{現在レート} – \mbox{約定レート}) \times \mbox{保有通貨} = \frac{\mbox{現在レート} \times \mbox{保有通貨}}{25} \cdots (e)\\
\end{align*}
式(e)を満たすときの現在レートが強制ロスカットレートとなります。
わかりやすく式(e)を書き直すと、
\begin{align*}
\mbox{口座残高} + (\mbox{強制ロスカットレート} – &\mbox{約定レート}) \times \mbox{保有通貨}\\
&= \frac{\mbox{強制ロスカットレート} \times \mbox{保有通貨}}{25} \cdots (f)\\
\end{align*}
等式は完成しました。
(f)式を変形すると強制ロスカットレートの等式に変換できます。
\begin{align*}
\mbox{強制ロスカットレート} &=\frac{25}{24} \left(\mbox{約定レート} – \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{保有通貨}} \right)\\
&= \frac{25}{24} \left(\mbox{約定レート} – \frac{\mbox{口座残高}}{\mbox{数量[Lot]}\times 10^4} \right)
\end{align*}
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